良好な家族関係を保つには? コミュニケーションのポイント

良好な家族関係を保つには? コミュニケーションのポイント

家族というどんなに親しい間柄でも、ちょっとした行き違いやコミュニケーション不足で距離ができてしまう場合があります。
それでも家族はお互いにとって特別な存在で、かけがえのない存在だからこそ、年を経るほど大切にすることが必要です。

今回は、家族間で良好な関係を保つためのコミュニケーションのポイントについてご紹介します。

良好な家族関係を築くコミュニケーションの基本

家族との良い関係を築くには、日常生活の「家族だからわざわざやらない」ようなことにこそポイントがあります。

価値観を共有する

一緒に生活している家族だからといって、全員が同じ価値観を持っているわけではありません。家族それぞれの感じ方や考え方があるため、お互いの価値観を共有する努力をしていきましょう。
個々の価値観を共有しておくことで、意見の食い違いや衝突が減り、日常のやりとりがスムーズになります。
例えば、「どんな家庭が居心地いいか」「なにが家族のルールなのか、足し引きが必要か」などを、家族で話し合うことでお互いの価値観を知ることが可能です。さらに、相手への理解が進み、協力する意識も生まれやすくなります。
なお、価値観を共有する際には、最初に傾聴することでしっかりと受け取る姿勢が大切です。

思いやりの姿勢を持つ

家族だからこそ思いやりが大切です。たしかに、あまり意識すると他人行儀に感じる人もいるかもしれません。しかし、かけがえのない存在だからこそ普段からの思いやりを持つことが必要です。思いやりを持ち合うことで家族の絆が強まり、お互いに安心感を持って接しやすく、トラブルが起きたときも解決がスムーズになります。
また、日常から「おはよう」「おやすみ」をはじめとして、「お疲れさま」と声をかけたり、忙しそうなときに手伝いを申し出たりすれば、「気にかけてくれている」と家族の存在を身近に感じやすくなります。
さらに、家族だからこそ感謝の気持ちを言葉で伝えるのも大切で、「ありがとう」を言う習慣をつけると関係がより温かいものになります。
例えば、「夕飯を作ってくれてありがとう」「片付けを手伝ってくれて助かったよ」のように感謝をひと言伝えるだけでも、相手は家族としての一体感を具体的に感じる機会を得られます。

一緒に過ごす時間を作る

忙しい日々の中で、家族と一緒に過ごす時間を作るのは意外と難しいかもしれませんが、時間の共有も家族の絆を深めるためには欠かせないことの一つです。
一緒に過ごす時間が増えるほど、距離感が無くなるとともにお互いの思いや考えに触れる機会も増えるため、お互い家族としての存在感を自然と身近に感じられやすくなるでしょう。
例えば、どれだけ多忙でも家族全員が揃う食事の時間にいる機会を増やすことや、今日の出来事など家族の近況の話を聴くことや自分も話すことなど、コミュニケーションの機会を積極的に作ることです。
不定期でも家族で出かけたり、一緒に趣味を楽しんだりするのも良い方法です。
共有する時間が短い場合でも、家族でお気に入りのネットやテレビ番組を見たり、簡単なゲームをしたりするだけでも、気持ちがつながる瞬間が生まれるでしょう。

具体的なコミュニケーションの取り方

家族間でのコミュニケーションは、遠慮がない分「話し手」になりがちではないでしょうか。大切な家族だからこそ「聞き手」としてのコミュニケーションも心掛けて、普段から相手の気持ちに関わり共有することが大切です。

家族相手の「聞き手」としてのポイント

家族間のコミュニケーションにおいてこそ、家の外での「役割・義務・責任」などを超えて親身に傾聴するように努めましょう。
傾聴のポイントとしては、まず「聴き手」になること。家族という慣れた相手であるために気軽に聞いてしまい、すぐに自分なりの応答する機会をつくって「話し手」に切り替わって自分話をしてしまわないように注意することがポイントです。
このようにして相手の話を途中で遮らずに最後まで聴く機会を増やすようにしてみてください。傾聴の積み上げにより、家族としてのより深い信頼感を築きやすくなります。

相手の感情をキャッチする聴き方で「共感」する

まず、基本動作となるのが「うん」「ええ」「はい」などを中心にうなずきや相槌を打ちながら傾聴すること。ただし、じっと聞き入ってしまわないように注意しながら行います。相手はより安心して話しやすくなるでしょう。
次の基本動作としては、相手が話す「うれしい」「むかつく」「悲しい」「楽しい」など、喜怒哀楽をはじめとした感情や欲求が表現された言葉などをキャッチすること。
「感情をキャッチする」聴き方とは、例えば、相手が「気になってることがあって」と発言したら、すかさず自分も「気になってる」と繰り返すことです。こうすることで、相手が自身の気持ちに共感してもらえたように感じを得やすくなる傾向があります。

不満や愚痴、悪口などの不快感情の言葉こそ重要

家族だからこそ正直に話せる思いのひとつが「愚痴や悪口」とも言えます。職場など外の世界では、私情を排して役割・義務・責任を優先する「公の自分」で過ごしていることが多いのではないでしょうか。すると、その分だけストレスもたまるものです。それだけに、家庭内では「私の自分」に戻り、良し悪しは別として正直な思いが「愚痴や悪口」になっていても聞いてもらえるとストレスフルな気持ちも落ち着くものです。同時に、自分の居場所や家族のありがたみを感じるものではないでしょうか。
この際、ご自身が聴き手として関わるうえでのポイントは、相手が「○〇にムカッとした」と発言したら、すかさず自分も「ムカッとした」と繰り返すことです。こうすることで、相手の気持ちを優先的に関わり共有することになるため、話し手は自分の気持ちを受け止めてもらえた感じから率直に話が続けられやすくなります。
注意点は、話の内容や言葉遣いに良し悪しの判断をしてしまうことや、助言や解決策を話そうとしてしまうことなどです。まずはまるっと傾聴してみてください。

トラブルに対応する方法

家族と一緒に生活していると、工夫や配慮をしていても小さなすれ違いや誤解が原因でトラブルが起きる場合もあるでしょう。
しかし、そうした家族間のトラブル対応としても、前述してきたとおり感情面でのケアが大切なポイントのひとつになります。

問題が起きたときこそ感情のケアが大切。冷静に対処するコツ

家族だけに少なからず遠慮が無くなってしまうものです。それだけに気を付けていても、家族間で不和などの問題が起きることはあります。でも冷静に対処すればトラブルを大きくさせてしまうことは防げるでしょう。
まず問題が起きると、つい感情が先走ってしまいがちですが、こんな時こそ立ち止まり一呼吸おいて落ち着く時間を取って態勢を整えましょう。
そのうえで、可能ならば自分が「聴き手」、相手が「話し手」としてのコミュニケーションをとります。その際、相手の感情に良し悪しをつけることなく優先的に傾聴していきます。そして「その次」くらいの位置づけで、問題に対する相手の理由や事情などを傾聴します。
こうすることで、問題に対する責任を追及し合うのではなく、冷静かつ前向きに「どうすれば解決できるかを協力して考える」話し合いをしやすくなります。

「わかってるつもり」や「決めつけ」を避けるコミュニケーションのコツ

家族として様ざまなことを共有して生活していると、お互いのことを「わかっている、わかってもらえている」のような状態になりがちではないでしょうか。そのため、何かトラブルが起きた時など、お互いの「無理解」によって関係がこじれてしまうこともあるかもしれません。
この回避策としては、家族であっても同じではない、「違う」ことを前提にコミュニケーションをとることが有効です。同じものを見ていても同じようには感じてはいないもので、感じ方の「大小・強弱・濃淡」などがあります。
家族だからこそあらためて知りなそうとすること。「家族として共感できるかできないか」ではなくて「家族でもお互いにどのように違うか」という視点でコミュニケーションをとることが「わかってるつもり」や「決めつけ」を避けるコツとして効果的です。

家族だからこそ思いやりやコミュニケーションを大切にしよう

家族関係を良好に保つためには、まさに家族だからこそ価値観の共有、思いやりやコミュニケーションの機会を保つことを通じて絆を深める努力が必要といえるのではないでしょうか。
そして、家族全員が心地よく過ごせる環境は、みんなで協力して作ることが理想です。
ちょっと気持ちをあらためて、その一歩を自分自身から始めてみませんか?

今回の日記はここまで

コーチングについて

コーチングは現在、ビジネスの場面をはじめ、プライベートの場面においても広く用いられるようになってきています。

それは、コーチングが人の「強み」を伸ばし、行動化をサポートする新しいコミュニケーションの技術であることが理由かもしれません。この技術の新しさは、相手の不平や不満という負の感情さえも、建設的な力への転化が可能であることです。

さらに注目したい画期的な効果として、コーチングが「違い」を活かし合う創造的なコミュニケーションの手法であることから、
相性や性格、価値観が合わない相手との対応力を向上させることも可能にしてしまう点です。
結果として、自分のコミュニケーション能力の飛躍的な向上やリーダーシップなどの幅を広げることに役立てられます。

コーチングは「自分らしさ」も「相手らしさ」も大切にし、「お互いを高め合う」コミュニケーションの手法ともいえます。
老若男女、職種などに関係なく学習し、さまざまな場面で活用できる技術です。

一般社団法人日本コーチ連盟

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