変な気負いが無くなる

土井祥晃さん(56歳)会社員

【第77期CP応用コース修了】

社内でコーチングを題材にした自主研修プログラムを企画・運営していたという土井さん。
そんな中、理論・理屈からしっかり学びたいという想いが強くなったそうです。
実際学んでみて、どんな変化があったのかお話いただきました。

コーチングを学んでみようと思ったきっかけは何ですか?

理論理屈からしっかりと学びたい

会社の有志で「後進の育成を行うためのワーキンググループを立上げる」という取り組みとして、コーチングを題材にした自主研修プログラムを企画・運営していました。 ただ、その「コーチング」は見よう見まねの範囲を超えない企画・運営であったため、自分たちのコーチングのやり方が正しいのかどうか判断するすべがありませんでした。
そのため、どこかで理論理屈からしっかりと学びたいという想いが強くなり、 日本コーチ連盟の門をたたいた、というのがきっかけです(説明会には参加しました)。

コーチングを学んで、どのような気づきや学びがありましたか?

自分自身の内面と向き合う

コーチングを学ぶ前までは、そもそもコーチングは相手に対して影響を与えることを目的としたものだと思っていました(相手との対話技術)。
ところが、実際に学んだことによる気づきとして、理論理屈以上に、コーチングは自分自身の内面と向き合う事、己を知ること(自分との対話技術)がコーチの基盤であるということ。 己を知らずして、他人の気づきの触媒なれると思うな、という趣旨、何事も「隗より始めよ」 である、ということでした。

自分がいかに無自覚か

コーチングを学ぶ前は、自分のことは自分が一番知っていると思っていました。
だからこそ、我慢すること、やってはいけないこと、など自分を律することや、言動や振る舞いなどを工夫することで、より良い自分を造っていく、ということを長らく「理性的に」続けてきました。
これはこれで社会人として大事なことと思いますが、 長らく当たり前にやってきたために、無意識に「本来の自分」を抑えつけ我慢することが常態化していました。
結果、その反動で、自分はこれだけ我慢してやっているのだから君もそうしなさい、といった反応が他者に対して無意識・無自覚に出てしまっていたようです。
コーチングを学んだことで、 自分がいかに無自覚に他人に対して操作的な影響を与えていたか、ということに気づき、今では自覚し回避できはじめています。

コーチングを学んで、どのような変化がありましたか?

変な気負いが無くなる

コーチングを学んでも「これまでにない新しい自分を手に入れた」というような変化は起こりません。
でもそれ以上に、コーチングを学んだことで「見せたい自分、見せたくない自分、いずれも自分自身である」という気づきが生じたということ、またこれらを受け止めることができたことで、 変な気負いがなくなり肩の力が抜けたような感覚があります。むしろそれが「自分が自分であることの安心感」という、いわば自信をもたらす実感になっています。
この結果、 自分に対してもそうですが、他者との価値観の違いなどにも気負わず向かい合えるようになったと思います。

落ち着いて向き合える

この自分自身の変化によって一番変わったと身近に感じているのは、 家族との関わりだと思います。
例えば、親が子に物申す時、 自分は子供時代に親から叱られていたことなどを手本にしていることが多いように思います。 しかし中には自分が納得いっていなかった事も含まれており、このような事象については、頭ごなしに 「こうしなさい!」といっていました。 すなわち、自分だって我慢してやってきたことなんだから、あなたもそうしないさい、という関わり方です。
ですが、コーチングを学んでからは、このような自分が説明できない場合は、相手に「こうしなさい!」と一方的に転嫁するのではなく、「私は」こう思う、私はこう「したい」などと、自分の主語や自分の気持ちを伝えることで、相手の気持ちとの相対化を実践し、相手の思いも聞かせてもらえるようになったという変化がありました。
ともすれば、これだけでも家族との関わりの中で、自分が比較的落ち着いて向き合えるようになったと思います。