修了生の声「村山 優夏さん」
「からくり」が見えた時は衝撃
村山優夏さん(31歳)公務員
【第73期CP応用コース修了】
仕事でどんなに頑張っても空回り、充実感も無くしんどかった毎日だった中、
職場の先輩が日本コーチ連盟で学んでおり、自分を知るためのヒントが得られる、という点に惹かれたそうです。
実際、どのような気づきがあったのかお話しいただきました。
コーチングを学んでみようと思ったきっかけは何ですか?
「こんなに頑張っている」のにどこか不完全燃焼
社会人になって1~2年が経った頃、どんなに頑張っても空回りして充実感を得られない自分に気付きました。「こんなに頑張っている」のにどこか不完全燃焼で、しかも、どんどんなぜかしんどくなる毎日でした。
「自分の人生なのに自分がいない」とさえ感じていました。私は公務員の仕事に就いていますが、その中でも自分がやりたいと思った分野に入れたはずなのに、何をやっても満たされない。仕事だけでなく、プライベートの人付き合いなどでも、自分が迷走しているようでした。それは気付いた時には、大きな「虚しさ」となり、自分が飲み込まれてしまう感覚に襲われ、とても怖くなりました。
自分を知るためのヒント
そんな時に、職場の先輩が、日本コーチ連盟でコーチングを学んでいたことを知り、コーチングがコミュニケーション技術であるということだけではなく、「自分を知るためのヒントが得られる」という点に惹かれ、コーチングを学んでみようと思いました。
コーチングを学んで、どのような気づきや学びがありましたか?
「からくり」が見えた時は衝撃
「自分ってこんなんだったんだ!」という気づきがたくさんありました。コーチングを始めて5年経った今でも、講座を受講する度に、新たな発見がたくさん出てきます。
「自分のことは自分が一番分かっている」と本気で思っていましたが、一番知らないのは自分でした。
例えば、私は周りから「優しい人」と見られることが多いです。ただ、実態は「他人に対する慈悲深さを持っている人」という意味での優しさを持った人ではありません。いろいろなことに適応するために、自分をないがしろにし続けてきたことで、外から見たら他人に優しい人に見える、というただそれだけ。そして、その「からくり」が見えた時は、衝撃的だったことを覚えています。
自分が自分の人生から逃げていた
いかに、社会に順応しようとして、自分を見えなくさせてきたのか、自分の気持ちや本音をなかったことにしてきたのか、ということに初めて気づきました。自分勝手になるという意味ではなく、「本当に自分が望んでいることは何なのか」「本当の意味で私の人生において大事にしたいことは何なのか」「私はどのように生きていきたいのか」という問いかけを自分にしていいんだ!と気づいた時、初めて自分を労わって慈しむことができたように思います。自分の人生を生きられるのは自分しかいないし、自分を本当に大事にできるのは自分しかいない。今でも完全に取り戻せたという感覚は持てていませんが、自分の人生を地に足を付けて歩く覚悟を持つことができました。「誰かのせいで自分はこうなってしまった」と思いがちですが、誰のせいでもなく、自分が自分の人生から逃げていただけでした。
「自分探し」ではなく「自分に気づく」
コーチングは他者とのコミュニケーション技術(相手との対話技術)ではありますが、そもそも「自分自身とのコミュニケーション(自分との対話技術)」が基盤である技術です。
だからこそ、「自分と自分との関係」を見直すきっかけになります。世間でよく言われる「自分探し」をするのではなく、「いつもここにいる自分に気づく」ことで、本当の意味で自分に優しくなれて、自分の人生を主体的に生きることができるようになるのだと思います。
コーチングを学んで、どのような変化がありましたか?
自然体に近づける
自分に起きた変化では、「少し楽になった」というのがあります。どこかいつも気張っていて、無理をしていたところがありましたが、良い意味で自分に対して素直になれて、自分の本当の気持ちが見えるようになりました。
当初は、他人とのコミュニケーションならまだしも、「自分とのコミュニケーション」と言われても、最初は、自分の好きなことや自分の気持ちなんて分かりませんでしたが、少しずつ「本当は自分はこう思う」ということに気づくだけで、肩の力が抜けて自然体に近づけるように感じています。
気づきが余裕を生む
もちろん、今でも、自分の気持ちをなかったことにする方が都合が良い時はあり、そんな自分が暴走したりしますが、それでも、そういう自分に気づくだけで、心に余裕が生まれます。表面張力でいつも溢れそうだったコップの水が、ちょうど良い量で保たれているようなイメージです。
一方的なアドバイスから聞こうとする余裕へ
自分を知るためのヒントを得たくて学び始めたコーチングですが、仕事や人間関係の面でも変化を感じています。
例えば、職場では、自分と違うやり方で仕事を進める後輩に、以前であればその後輩をあたかも操作するように「〇〇した方がいいよ」と一方的にアドバイスして終わっていたかもしれませんが、最近になって、どうしてそのやり方をしようと思ったのか聞こうとする余裕が出てきました。
生き生きしている自分
また、人間関係において、私はいつも受動的で無批判に相手を受け入れるようなところがあり、他者がいる場では、自分から話をせず、空気に溶け込んでいるようにしていました。最近、以前よりは自分の意見もちょうどよく話せるようになったのか、複数の知り合いから「前よりいきいきしているね」と言われたことがありました。
自分で「こう変化しよう」と決めたわけではなく、コーチングを通じて、自分に取り組むことを諦めずに続けた結果だと思います。その取組は、良くも悪くもゴールはなく、これからも続けていきたいと思います。