「自分を成長させる学び」

西村明日香さん(32歳) 会社員
2010年度東京分科会メンバー

【第32期CP応用コース修了】

西村さんは仕事上で相談に乗ることが多いことが、コーチングを学んでみるきっかけになりました。ただ、コーチングを勉強していくうちに、自分自身について興味がわき、講義だけではなく分科会活動を通じてさらに学習を続けていくことにしました。分科会活動でどのような経験をされたのかをお話いただきました。

コーチングを学んでみようと思ったきっかけは何ですか?

仕事上、新人の相談に乗ることが多いのですが、親身になって話すほど何を話しているのか自分自身わからなくなることが多く、果たして新人のためになっているのかとても不安になって、ヒトとコミュニケーションを取ること自体が恐いと感じるようになってきていました。

また自分がしたアドバイスを、素直な新人はそのまま真に受けてしまうため、新人の人生を左右するアドバイスを自分の思いだけでしている現状に恐くなり、「ヒトを導く技術」というふれこみのコーチングを学んでみようと思いました。

受講前、「コーチング」についてどのようなイメージや解釈をお持ちでしたか?

カウンセリングは病気の方への技術で、コーチングはマネジメントも学べるようなイメージがあり、普段から仕事で使える場面が多い技術なのでは、というイメージでした。また本なども読んでいたため、コーチングは相手を導く技術であり、傾聴や「相手の中に答えがある」という言葉はすぐコーチングと言われて浮かんでくるフレーズでした。

リーダーが身につけておくべき技術の一つであり、どちらかというとマネジメントの要素が強い技術で、これを身につければ、ヒトをどんどん導いていける力を身につけられるようなイメージがありました。

分科会に申し込んだ動機は何ですか?

コーチングを勉強する上で、自分自身について非常に興味がわいてきました。私の仕事が人材育成という中身のため、多くの人たちの価値観を尊重しながら進める必要があり、自分自身と相手の違いをもっと感じるためにも更なる学習を続けて行きたいと現在感じています。また、将来はインストラクターとしても活躍できたらと考えているため、分科会に参加し、多くの人と研鑽していけたらと考えています。

分科会ではどのような学びがありましたか?

正直不都合の連続というか、自分のふがいなさに愕然とする、最初は嵐に巻き込まれたような気分でした。

一番不都合に感じたのが、月に1回しか顔を合わせて会議が出来ないと言うことです。それを埋めるために毎日朝早くから夜中までメールが10通も20通も届くし、スカイプなる最新技術での会議には正直ITが苦手な私にとってはとても辛かったです。特にメールは時間も場所も関係なくガンガン届き、話がどんどん進んでいくので、全くついて行けず、メールが届く度に「攻撃」されているような感覚にさいなまれ、何も役に立てない自分にも苛立ち、悶々としていました。

しかし、そんな自分の状態に気づき、月に1回会って話すと不安感が消える事をあらためて認識することで、自分にとって「会って話す」という「実感」を感じられるコミュニケーションが心地よく、実感が感じられないITを活用したコミュニケーションは苦手なんだとまざまざと気づきました。

これがわかったからと言って辛さやふがいない気持ちが消えたわけではないのですが、「攻撃」されている感覚は薄れ、自分の関われるところから少しずつメールにコメントを入れたり、メールではなく会って話したいと提案したりすることが出来るようになりました。

コーチングで出会った仲間についてどのような印象を持っていますか?

変わった人が多いというイメージを自分自身が持っているということに、この質問で改めて気づきました。どうしてなのか考えてみると、普段以上にお互いの個性について興味を持って、それを自分自身感じながら接しているからなのかと思いました。

また皆さん意欲的であり、積極的だという印象も持っています。仕事をしながらコーチングも学び、この人達はいつ休んでいるんだろう、どこからそのエネルギーが出てくるんだろうと疑問に思うほどです。正直自分が弱っているときはエネルギーが強すぎて威圧的に感じたりすることもありますが、普段はお互いの意見を率直に開示しながらお互いを思いやっている同士のような感覚です。

そのほか気づきや学びについて自由にお書きください。

コーチングについて学び続けていますが、少し前は楽になったのかもしれないと自分自身の成長を感じていたように思いますが、この頃果たして本当にそうなのか分からなくなってきたのが正直な意見です。まだ学びの途中というよりスタートラインだからかもしれません。思っていた以上にコーチングは奥が深いもので、人と関わると言うことの喜びや難しさを感じています。

自分に興味を持つ、人に興味を持つということは思っている以上に出来ておらず、大変で、コーチングに限らずコミュニケーションはここからスタートしているということを感じています。温かい心はどれだけ自分と人に興味を持てるかで育てられる気がしているので、今後さらに学びを進め、コーチングの技術を習得するのみならず、人間として自分を成長させる学びを促進させるためにも、頑張っていけたらと感じています。